【2巻第③話】あずみ、感想・ネタバレ

あずみの前に現れたのは、あずみが斬りたくないと願う柳太郎でした。

標的である片桐の衣服を着た柳太郎は、あずみと戦います。

あずみに全く敵わない柳太郎は、なぜあずみに立ち向かうのか・・

それは、あずみに斬る斬られる気持ちを教えるためでした。

普段なら一太刀で相手の首を斬るあずみは、どうしても一太刀で柳太郎を斬ることができませんでした。

あずみの中で初めて芽生えた感情にあずみは戸惑います。

爺は教えなかった、柳太郎が身をもって教えてくれたことにあずみはこれからどんな成長をしていくのでしょうか。

「これで良かったのだ」と柳太郎はつぶやきます。

あずみによって命を絶った柳太郎でした。

ひょうがたちが駆けつけ「やったな片桐を」と言いますが、「済まない」とあずみ。

自分が倒したのは片桐ではなく、柳太郎であることを伝えました。

片桐に逃げられたことを知ったひゅうがたちは追いかけます。

「山を抜けた!」追いかけてこないあずみたちから逃げ切れたと喜ぶ片桐。

山を抜けた先ではトンボが飛び、田んぼ道では赤子をあやす娘の姿を見た片桐は信じられないくらいのどかな風景に見とれてました。

山の中では凄惨なことが起きていたとは考えられないくらいに・・・。

伏見が近いと感じた片桐は感を極まります。

突然、あたりを見渡す片桐・・手前には赤子をあやす娘、背後には荷車を牽く老人の姿が、倒れこむ片桐の首にはくないが刺さっていました。

加藤の許に辿り着けず、使命を果たせなかった片桐。

片桐に止めを刺したのは、荷車を牽いていた老人・・・爺でした。

一方、あずみは柳太郎の最期の姿と言葉を思い浮かべています。

『これで良かったのだ・・・』

合流したあずみたちは、爺から最初の使命を終えたことを告げられます。

ながらを失ったことは残念だったが、むこうからあずみたちの活躍を喜んでいるはず、と爺は言いました。

爺はあずみたにち近くによるように伝えます。

「よくやった偉い!」

始末するには相当な数必要だったが、見事あずみたち5人で偉大な使命を果たしてくれたことに、爺はあずみたちを褒めちぎりました。

歓喜するひゅうがたち。

あずみは、斬った遺体はどうなるのか?と爺に問います。

人にはそれぞれ使命や役目があり、残らず運びだし埋葬してくれる者がいることを伝えます。

さらに、祈ることで成仏するため、討った相手には心は残さない事を話しました。

あずみたちはある村に着きます。

村では祭りがされており、村人が踊っていました。

爺は泰平の世があってこその光景であり、この幸せを守るために悪を討ち果たしていくあずみたちの使命がいかに大切かを説明しました。

祭に興味津々のひゅうがたち。

店を出している村人の「柿がおいしいよー!」の掛け声に、あずみは柳太郎を思い出します。

そんなときに、「庄屋様からのお酒だよー」と酒に群がる村人たちの「酒を飲めば辛いことでも忘れられていい気持ちに」という言葉に、あずみは心惹かれました。

「あずみがおかしくなってしまった」と爺を呼びに来たひゅうがたち。

ひゅうがは紐にぶら下がっていました。

爺は酒という人を酔わす飲み物があることをひゅうがたちに教え、心配はいらないと言います。

酒はどうだったか?と爺はあずみに聞くと「まずかった」とあずみ。

背中におぶられるあずみは、あったかくて懐かしく、小さい頃もこうしてもらったと思い出します。

子どもの頃は爺に一番べったりだったあずみは、柳太郎が最期に口にした言葉の意味を爺に聞きました。

自分の気に入った相手に、ましてや自分より強い相手に斬られるのは、戦でしか生きていけない者には、それが本望であるとあずみに言います。

それを聞き終えたあずみは、少し考え・・・

あずみはやはり、柳太郎や柳太郎の言葉に心が動いていたようです。

今までは何も考えずに爺(親)の言うことを聞いてきた、あずみに初めて自分で疑問を持つことができる働きかけをしてくれた人物が柳太郎でした。

柳太郎の「これで良かったのだ」にはどんな意味が含まれていたのか・・・

初めてあずみが柳太郎に会った場面から推測すると、人に何かを教える時は、身をもって教えないといけない?

いけないことをしても、許せることがあり、あいまいにできることもあるや

世の中には、はっきりと明暗がつかないこともある・・でしょうか?

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