枝打ち
意に反して柳太郎を打ったあずみは、酒の力を借りて嫌な気持ちを忘れようとしました。
酒に酔うあずみの醜態に驚くひゅうがたちは、爺を呼んできます。
背中におぶられたあずみはら柳太郎の言葉の真意について爺に教えてもらおうとしました。
爺の解釈は、柳太郎の意図が明確にされたのか・・・
関ヶ原の戦いで勝利した徳川家康は、長期的な政権を目指すため優秀な人材を集めました。
その中の一人に南光坊天海がいました。
天海のすばらしい考えに魅了された家康は、常に天海を側に置いて助言を求めたそうです。
天海に片桐兵部とその兵者たちが討ち果たされたことを報告する者がいました。
「小幡月齊の育てあげた武術集団が、手際あざやかに・・・」
その後の遺体の対処について聞いた空海は、山中に埋葬されたことを聞き、少しの間拝みます。
「見事育てあげた。今後も期待している。」と伝えるよう報告に来たもの言い渡しました。
~関ヶ原の戦いで豊臣の一奉行である石田三成を倒したものの、豊臣の遺児、秀頼は着実に成長していく一方、家康は老いていく~
これで終わりにしたいものだ、と空海は爺に話しかけます。
かけがいのない命を多く失った爺は、その気持ちが誰よりも強いことを空海は知っていました。
徳川に荷担した加藤と福島大名が再び豊臣側につくことを懸念している空海。
空海は、この惨い戦争がこれで最後となり、長く安寧した政権をする器量をもつ徳川に力を貸しています。
ただそのためには、徳川を打とうとする者たちを叩くために再び戦をひなければいかなくなることに、悩む空海は、ふと案を出しました。
それは、大きな犠牲が出る前に反乱の芽を摘んでしまうことでした。
月齊は同意を求める空海に、具体的な中身を聞きます。
空海は、杉の木になぞらえて説明します。
長くまっすぐ杉の木をのばすためには、邪魔となる枝を枝打ちしていかなければならない・・・。
武術の達人である月齊に空海は、頼み事をしました。
それは、枝打ちをする優秀な武術者を見つけて育てることを示唆します。
時は流れ、長期政権に力をいれる徳川を倒そうとする大名は多く、戦いは続き残党や浪人が食う糧のため村を襲いました。
空海の命により武術の達人に育ったあずみたちは、見事枝打ちに成功し、次の使命のため移動しています。
あずみたちの前に、少女と袴を来た中老の男性がいました。
少女が落とした芋を拾おうとした男性は、どぶに落ちそうになるのをあずみに助けてもらいます。
「衣装を汚してしまうところだった」とお礼を言う男性と、「菊姉ちゃんが庄屋様のところに嫁ぐ・・・」
しゅうげん、およめ?とは何かわからないあずみたちに爺はおめでたいことだと教えました。
そして、あずみたちが世間知らずなことも伝えます。
ピンとこないあずみたちは、とりあえずお祝いしました。
小作人の身でありながら、身分違いの庄屋様が、美人な菊を見初められたようで、衣装が汚れずに済んだお礼にぜひ赤飯を食べて欲しいと勧める男性と少女は、あずみを引っ張ります。
「見てみたい!」とあずみが言うのでついていくことにしました。
菊姉ちゃんの元にあずみを連れていく少女。
菊を見たあずみは「きれい」と言います。
菊は少女、すえに粗相のないようにと面倒をみます。
あずみに気がついた菊はかわいい子、と言いました。
同じ年頃のすえと式場ではしゃぐあずみは楽しそうです。
あずみは、爺が全国を回って素質ありと見た子供のなかで唯一の少女であり、甘えてばかりいたあずみが、一番の剣士になったことを考える爺。
外界には楽しいことがたくさんあることを知ったあずみたち・・・
屋敷の外から怪しい視線が・・・
欲しいものが全て一ヶ所に集まっていて都合がいい!と豪語する、輩がいました。
それは・・・
爺は小幡月齊(おばたげっさい)というそうです!
初めて名前が出てきました。
そして、あずみたちを育てる理由も分かりました。
あずみたちの使命は、単に人を倒していくのではなく、大きな目で見ると少ない命で多くを救うことになるのですね・・・
少ない命に柳太郎が含まれているのは、なんだかさみしい気持ちです。
【2巻第④話】あずみ、感想・ネタバレ

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