【2巻第⑦話】あずみ、感想・ネタバレ

感情が高ぶるあずみは、野伏せりに対し自分の持つ力量を見せてしまった。

あっという間に野伏せりを倒したあずみは「もっと早く・・・」ときくや村人を守れなかったことに後悔します。

あずみの強さを目の当たりにした野伏せりを一人も残すことなく倒したひゅうがたちは、村を後にします。

武術を使命以外で決して見せてはならない、という爺の教えを守ろうとしたが守れず、きくや村人も守れなかったあずみは、すえに謝り続けました・・・。


無念・・・!

今まであずみにとって爺が人生そのもので、爺の言うことは全て正しいと感じていたあずみは、前回の話しでもひたすら爺の教えを守ろうと堪え耐えようとしましたが、どうにもならない一方的な悪意を向けられるきくや村人たちのため、ついには刀を振るってしまいました。

これまでたくさんの人を倒してきたあずみですが、今回の事件で思わず爺の教えに背いて?というより身体が、勝手に動いたのは柳太郎との一件が影響しているのかな、と思います。

最初の使命であずみは家族同然に育ったなちと戦い斬りつけて倒しました。

この時のあずみは、世間を知らない本当に爺しか知らない感情がないようなあずみでした。

なちを倒すのが当たり前の出来事であったかのように通過していきます。

初めて良い人だと感じた柳太郎とも対峙し倒すあずみですが、あずみに斬られた柳太郎は「これで良かったのだ」と言葉を残し倒れました。

柳太郎に人を斬る斬られる気持ちを学んだあずみは、さらに柳太郎の言葉の意味について爺に問います。

自分より強い相手に斬られて倒れることは、刀を生業とする者には、本望なことだ、と解釈してもらいました。

これらのことから、理不尽に一方的に斬られていくきくや村人の気持ちに歯止めが効かなかったのではないか、と思います。



浅野長政は、職を探す浪人や武芸者を雇う名目で御前試合を行っています。

試合は木刀ではなく、真剣で戦わせました。

あずみの前で刀を打ち合う者たちは、お互いの刀が身体に刺さり相討ちしてしまいます。

命を賭けてでも職に就きたい浪人たちは後を立ちません。

片付けが終わり、次の試合へと移行します。

「西方・・・川又助左衛門・・・東方・・・村上諸兵衛」

あずみの隣に座る村上は自分が呼ばれたことに気がつきますが、先方が強面なため知らないふりを決め込みました。

進行人は、これまでの戦いに恐れて居るが居留守を使っているのだろうと状況を察します。

「それでは、小幡月之進・・・」

さっ!と手を挙げるあずみは少年の格好をしており進行人を、驚かせます。

まだ子供であるあずみに歳や本当に試合をするのかや考え直した方が・・・と勧めますが、あずみは聞きませんでした。

加藤清正や浅野長政の豊臣恩顧の大名らによって、関ヶ原の戦い後初めて、豊臣秀頼と徳川の対面が御前試合の一週間前に行われていました。

御前試合当日に加藤清正と旧知の間柄である浅野長政の隣に座るのは加藤の側近、井上勘兵衛がいます。


あずみのような子供が、自分の強さや野心があると勘違いして戦い自分の不甲斐なさ世間の広さに落胆しながら倒れていくことを哀れみながら井上と浅野は浪人を雇う名目で試合を楽しもうとしていました。


木の上からは井上の子飼いの忍者飛猿もあずみの試合を見物しています。

試合が始まり、川又の槍から逃げるあずみは、浅野のいる屋敷の縁まで入り込んでしまいました。

川又はあずみがを浅野のところまで追いやってしまったことを謝罪し、あずみに降りてくるよう待ちます。

頭を下げるあずみは、その次の瞬間、浅野の首めがけて刀を刺します!

すぐさま、井上はあずみの刀を切り落としました。

逃げるあずみと唖然とする浪人、慌てる屋敷の者たち。

井上は誰の差し金か突き止めるため、あずみを生け捕りにするため追いかけました。

素早く逃げるあずみの考えを読んだ井上は、先回りしあずみを待ち伏せます。

不意を突かれたあずみは、井上に傷を負わされました。

池に落ちるあずみ。

「手がかりになる傷を負わせた・・・あとは頼む飛猿・・・」

浅野長政、享年六十五歳。
原因は明らかにされませんでした。

誰も追いかけてこないことから逃げきったと判断したあずみは、傷の処置をしながら井上の手強さを感じます。

処置を終えたあずみは、誰かが気配を消し潜んでいることに気がつき、木の裏に隠れました。

すると、背後から飛猿に捕らえられてしまいます。

飛猿の鼻は、微かな血の匂いでも嗅ぎ分けられるようです。

美少年のあずみが歳はいくつで誰かの稚児をしているのか?と聞く飛猿はあずみを逃がさまいと胸を握りました。

柔らかい感触に、あずみが女であることに気がつく飛猿でした。


少年に扮したあずみは、次の使命を果たしました。

明確には断言できませんが浅野を倒すために、御前試合に潜入したようです。

爺の考え通り、子供と油断した浅野は、あっという間にあずみに倒されてしまいました。

加藤の側近の井上の子飼い・・・長い!

猿飛でさえもあずみの顔が美しいと言っていますが、それはさておき、少し苦戦するあずみは猿飛から逃げ出すことができるのでしょうか?

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