「異世界で奴隷になりましたが」は作家鳥下ビニールさんと国原さんの作品です。
2.異世界で奴隷になりましたが【第3巻】ネタバレとあらすじ
※ネタバレ注意!!
・お互いの立場
風邪をひいたチカは、医者に診て貰います。
十分な休息と食べ物さえあれば、快方に向かうだろう、と医者は言います。
チカを見ながら、ダグラスはチカの様子がおかしかった朝の出来事を思い出します。
もし、はっきりと気づいていれば風邪を悪化させることはなかった、とダグラスは自分を責めました。
笑顔で見送ってくれたチカを思い出すダグラスは、なぜ素直に気分が悪いことを伝えてくれなかったのだろうか、と考えます。
少し目を覚ましたチカに、ダグラスはチカの医者からきいた容体を伝えました。
その話を聞いたチカは、顔を青ざめ起き上がろうとします。
その理由は、早く家事をしなければならない、という気持ちからでした。
そんなチカを寝ているようダグラスは押さえつけます。
なぜ、チカが動揺しているのかわからないダグラス。
チカは、涙を流しながら奴隷である身分から仕事をしないと見捨てられてしまう、本音を話してしまいました。
自分が何の思惑もなく単純に無垢な気持ちでダグラスに仕えていることを装っていたことが発覚してしまった、とチカは、また路頭に迷うかも知れない、と内心焦ります。
少しため息を吐いたダグラスは、チカの懸念していた事案について何も気にしていませんでした。
横に座っていたダグラスは、寝台についた手を軸にチカの隣に添い寝をするため寝転びます。
そして、チカが体調を崩したり、仕事をしなくても見捨てたりすることはない、と言いました。
一緒に寝ようとするダグラスに、チカは風邪が伝染してしまう、と話します。
離れるつもりのないダグラス。
チカは、寝るのなら服を着替えたらどうか、と提案しました。
チカの言うとおりと思ったダグラスは、チカの着ている服を次々脱がしていきました。
下着に手をかけるダグラスに、チカはその一部だけは残しておいて欲しい、と抵抗します。
ダグラスは、いつも一糸まとわぬ姿で寝ていた、と楽しそうに笑います。
ダグラスの言うとおり、毎夜仕事に励んでいたチカは服を着ていませんでした。
チカの恥ずかしさも知らずに、ダグラスもまたワイシャツを脱ぎ始めます。
服を着ていないため寝心地の良くなったダグラスは、チカを抱き込みそのまま眠りにつきました。
ダグラスの胸に顔を覆われるチカ。
朝になり先に目覚めていたダグラスは、チカのために飲み物を持ってきました。
布団から顔だけを出して恥ずかしそうにするチカは、着る物を求めます。
ワイシャツを取り出したダグラスは、自分の身体よりはるかに大きな服を纏うチカの姿を見ながらあることを考えます。
それは、チカが常に主人である自分に気をつかっていることでした。
風邪をひいたことで本音を話し、一回りも大きな服を着るチカがずっと小さく感じるダグラス。
チカが常に自分を主人として考えていたように、「奴隷」という立場で物事を考えることができていなかった、とダグラスは考えます。
甘く感じる飲み物を口に含むチカ。
甘い飲み物は、これから飲む薬を和らげるためでした。
ダグラスは、苦い成分を含む粉状の薬をチカに渡します。
薬の飲み方が分かるかどうか問いかけるダグラスに、チカは大丈夫、と答えました。
そして、言葉通り正しく薬を服用するチカ。
粉状の薬を飲むのは、貴族に限られているため、正しく薬飲んだチカが奴隷になる前は、地位のある一族だったのではないか、とダグラスは考えます。
昔について話さないチカが、自分をどのように認識しているのか気になるダグラス。
・誓いのキス
過去の「少年」に似ているため、チカを買い取ったダグラスは、チカ自身を理解できていなかったことを反省します。
しかし、「少年」とは関係なくチカに興味を持ったダグラス。
本来の目的通りチカを扱う主人である自分をチカが警戒するのは妥当、とダグラスは考えました。
ダグラスは、夜の手助けとしてチカを購入したが、今では身分に関係なくチカという存在に興味がある、と伝えます。
そのため、思うように仕事をしなくても、チカを手放したりしない、とダグラスは決意しました。
チカの気持ちを尊重したいため、何かあれば話して欲しい、とダグラスは伝えます。
そして、チカの手の甲に、唇をつけるダグラス。
言葉を失い顔を紅くするチカを見て、「少年」を思い出しつつもチカについて、もっと深い話しがしたい、とダグラスは思います。
それ以降、これまでとは違い、必用にチカの面倒を見るようになったダグラス。
さらに、今後は夜の仕事をしなくてもいい、とダグラスは言いました。
仕事に向かうダグラスは、チカにそのように告げます。
しかし、自分が仕える本当の理由を放棄することになるため困惑するチカに、ダグラスは夕食の時にその理由を話す、と言いました。
夕食の時間に、ダグラスは淡々と過去の出来事を話します。
それは、1年前に敵国に捕まっていた際、敵兵によって数々の傷みを与えられ、そして世話係の「少年」から屈辱を受けていたことでした。
そして、それ以来、不能になったダグラス。
どれだけ素晴しい女性と夜を共にしようと、あるいは想像してもまったく役目を果たせないダグラスは、「少年」を考えるだけで昂ぶることがありました。
「少年」以外の少年には反応しない、ことをダグラスは強く主張します。
そんな時に、「少年」と似ているチカをダグラスは見つけました。
「少年」の代わりにチカを扱うことを良くないと感じながらも、それを意識しないようにしていたダグラス。
ダグラスが自分がその「少年」であることに気づいていない、と感じるチカは、ダグラスに質問します。
それは、「少年」の代役に自分がなれなかったことでした。
ダグラスは、その通りであり、「少年」にしか反応しない身体となってしまったことを話します。
自分がその「少年」であるチカは、今後ダグラスが伴侶を見つけることができないのか、と聞きました。
飲んでいたお酒によって眠たくなったチカに、ダグラスは質問の答えとして、その通りになるのだろう、と答えます。
眠りこけるチカは、最後に「少年」はいない、と呟きます。
チカを寝室に運ぶダグラスは、チカの言葉や見た目から「少年」と近い関係であることを察します。
寝ぼけたチカに、「少年」の名前が何か聞くダグラス。
ろれつの回らないチカは「少年」を「イジマ」と呼びました。
チカの額にキスをしたダグラスは、イジマのためにもチカに苦労はさせない、と誓います。
チカには教養を身につけるためのコール婦人先生が付くことになりました。
何かがきっかけで少し下の貴族のリーリアとも仲良くなったチカ。
恋物語が好きなリーリアのために本屋にやって来たチカは、帰り道に出会い頭に男性とぶつかります。
謝る青年は、転んでしまったチカを簡単に起き上がらせます。
大丈夫、と答えるチカの頭をなでながら、青年はチカが奴隷であることに気がつきました。
入念に自分を見つめる青年をチカは少し警戒します。
何事もなかったかのように、笑顔でその場を去って行く青年。
ジルドレにダグラスはチカを奴隷の身分から解放してあげたい気持ちを話しました。
奴隷でなくなるためには、二つ方法があります。
それは、主人が奴隷を国から購入するか、あるいは奴隷自身が自分で購入するかでした。
本当に一般人として生きていくなら、自分で自分を買うに限る、とダグラスは思います。
そして、そこから生きて行くには教育が必用と考えていました。
チカのことを思ってのダグラスの行動。
奴隷でなくなっても自分をチカが気にかけてくれるか気になるダグラス。
なぜこんなにも自分に良くしてくれるのか聞くチカ。
もう少し大人になれば、話すと笑うダグラスにチカは、何か奉仕しなければならない、と思います。
3.異世界で奴隷になりましたが【第3巻】感想と次回【第4巻】考察予想
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4.まとめ
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