「まずは片思いから」は作家gillzoneさんの作品です。
2.まずは片想いから【第58話】ネタバレとあらすじ
※ネタバレ注意!!
・秘密
体がすくむようなクラクション音の後、聞こえたのは、鉄同士がぶつかり、衝撃に負けた車体が飛ばされる音でした。
タイヤが宙を走る車体から、かろうじて声を出す女性は、通行人に後部座席の娘の所在を教えます。
徐々に霞む目に映る男子高校生の姿。
あの事故で被害にあった子供が、明香里であることに、大和は紘から聞きました。
黙ったままの紘に大和は、体が大きくなった、と肩を叩きます。
驚いた、と話しつつも案外あっさりと家に入っていく大和に、紘は拍子抜けします。
しかし、背中を向けたまま大和は、紘にあるお願いをしました。
それは、明香里には秘密にしておくこと、です。
・触れあう手
家に入り、ベッドに横たわる大和。
そんな大和を飼い猫が見守ります。
目元を腕で隠す大和は、あの時のことを思い出します。
手術室の前で待つ大和。
慌ただしく現れた人物たちが、手術室に入っている子供の近い家族なのかどうか、と思う大和。
その人物たちは、事故の壮絶さを耳にしているようです。
困惑する人物たちのそばで大和のスマホが鳴りました。
スマホの連絡を見た大和の顔は青ざめます。
まるでその日が詳細に思い起こされる大和。
あの時、走り出した大和の足はとても重く感じたようです。
先の見えない終わりを夢中で走る大和は、それが現実ではないのかもしれない、と感じました。
「沙羅(さら)」と呼びながら駆け込んだ部屋では、泣き叫ぶ女性が布の上に被さっていました。
その時、大和は妹である沙羅が自分のせいで亡くなった、と頭が真っ白になります。
大和の部屋のチャイムも鳴らす明香里は、夜遅くに申し訳ない気持ちがありながら、大和の好んでいたアイスを持ってきました。
アイスを受けとる大和に、明香里は夜の挨拶をし、その場から去ろうとします。
そんな明香里に、久しぶりに猫に会うよう、大和はすすめました。
躊躇いもなく、承諾する明香里は、少しして気恥ずかしい気持ちになります。
部屋にあがり、猫と戯れる明香里に、猫がとても信頼していることを大和は気がつきます。
未だに猫の名前を教えてもらっていない明香里は、その理由を尋ねました。
床に座りながらベッドに両腕を楽にする明香里は、大和の方を見ます。
すると、大和もまた明香里を見ていました。
知ったことが増え、それを知らなければよかった、と大和。
知らなければよかったことと、知るべきではなかったことが、ほんの少しの違いであることを大和は、知っていました。
病院で友達に叱責される大和。
友達は、明香里が生徒であることを気にしていました。
しかし、大和は何のことかわからない、と顔を背けます。
顔に力が入る友達ですが、大和はあくまでも明香里との関係は否定します。
友達の察しの良さに大和は、感心しました。
友達は、少し様子がおかしいことに気がつ、そしてほどほどにしておくよう忠告しました。
そして、大和の心が決して迷ったりしないか、友達は確かめます。
人の気持ちが移りやすいことを大和が誰よりも知っているはず、と友達。
大和は、自分が幸せになってはいけない、と思っていました。
しかし、そのように思うようになったきっかけが明香里であることで、幸せになるかどうかが、必要ではなくなった大和。
ベッドに、もたれかかりながら見つめあい、手が触れあいそうになります。
3.まずは片想いから【第58話】感想と次回【第59話】考察予想
ドキドキ・・・。
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4.まとめ
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